
有識者やがんばっている若者達を紹介する教育インタビュー。
第9回は、埼玉の県立高校在学中に、「就職して社会のために尽くしたい!」と志を立て、白岡市役所へ入庁、2年目を迎える若者、植木雄一郎さんにお話を伺ってきました。
【プロローグ】
ある先輩が、「現代は、夢さえ抱けない若者がいる」と語っていたことが印象に残っている。
そんな状況を感じながらも、どうして良いのかが分からない大人達の無力感。
思えば、日本社会全体を閉塞感が覆っていると表現もしたくなる。
だが、そんな中だからこそ、より輝き、煌きを放つのは、やはり若者達のパワーに他ならない。
時代は変わる。
若者達が思い切り堂々と働ける世の中にすることこそ、私達に課せられた使命ではないだろうか。
「白岡に、とっても誠実で一生懸命やっている青年がいるよ!」と、耳にした私は、ぜひこの目で、その青年を見たい!話を聞きたい!と即座に思った。
白岡は、埼玉県東部に位置する人口約52,000人の市である。
都心から電車で1時間圏内ということもあり、ベッドタウンという一面をもつものの、駅からしばし離れれば、田畑、緑がひろがる土地柄で、ふるくから農業を営む人々も多い。
特に、梨栽培は有名で、埼玉県を代表する特産品のひとつとなっている。
また、東洋経済新報社が先頃発表した「全都市住みよさランキング」で、白岡市は埼玉県の第1位になっている。関東ブロックでも、何と10位に。
この評価は、いろいろな側面からによるものだろうが、街づくりの施策が大きなウェイトを占めていると言っていいだろう。
この白岡の街づくりを担っているのが植木雄一郎さんだ。
白岡市役所へ入庁して2年目という若者の胸には、どんな思いが去来しているのであろうか。
誰かの役に立てている
植木 雄一郎さん(白岡市)

【就職を選択した理由】
依田(聞き手):植木さんは、高校をご卒業され、白岡市役所へ就職されたわけですが、この道を決めたきっかけと申しますか、気持ちを固めたときのことを教えてください。
植木:高校1年生の時は大学志望でしたが、高2、高3と学年が上がるにつれて「社会へ貢献したい」、「自分の力を試してみたい」と思うようになり、就職を志望するようになりました。
その中で公務員を目指した理由は、職業上、市民の方々の意見をとても近い距離で聞くことができ、やりがいをとても感じられる職業であると判断したからです。
依田:行政は、国や都道府県も担っていますが、最も住民に近い位置にいられるのは市町村だと、私は常々思っています。
そういった意味でも、植木さんの選択は、実に的確だったと思いますよ。
植木:ありがとうございます。私も生まれ育った場所で働かせていただけることに心から感謝しております。

【あっという間の毎日】
依田:高校生活を過ごした後、社会人として活躍されているわけですが、就職してからの2年間は、どんな日々でしたか?ご感想をお聞かせください。
植木:一日一日があっという間に終わってしまい、学生の頃には味わえなかった達成感や苦労を感じることができました。
とても充実していて、「誰かの役に立てている」ということを感じつつ、毎日を送れています。
依田:市役所では、どのような仕事を担当されているのでしょうか。
植木:街づくり課の公園担当ということで、主に公園の適正な管理や施設の運営などをしています。
【未来の白岡市のために】
依田:白岡市は、東洋経済新報社の「全都市すみよさランキング」の総合評価で、埼玉県第1位になりましたね。
これは誇るべきことであると同時に、街づくりに係る期待が益々高まることになるということだと思います。
その点について、植木さんが胸に秘めているものを教えてください。
植木:とても光栄なことだと思います。
一方、これに甘んじず、より住みやすい街づくりをしていかなくては!という気持ちにもなります。
私は、市役所に就職して2年目で、公園を担当していますから、まずは、子供達が安心して遊べるような場所づくりに尽くしていきたいと思っています。
依田:今後、将来を見据えて、「こんな仕事をしてみたい!」という豊富があれば、教えてください。
植木:どの部署に配属されても、やりがいや喜びは得られると確信していますので、どこへ配属になっても、業務はもちろん、未来の白岡市に尽力していきたいです。

【植木さんの素顔】
依田:就職して数年は、仕事で覚えることも多々あるでしょうし、時間的にもハードだと思います。
そんな中、余暇と申しますか、ご自分が楽しみにしている時間は持てていますか。
植木:ピアノを小さい頃からやっているので、ピアノがストレス解消になっていると思います。
また、自分の楽しみにしている時間でもありますね。
上手くはありませんけどね。
依田:いやいや、かなりの腕前だとうかがっていますよ。ぜひ聴かせていただきたい。
植木:お恥ずかしい限りです。ピアノは本当に趣味のレベルですよ。
依田:幼少時代、あるいは学校へ通っていた時期で、思い出に残っていることはありますか。
植木:友達と毎日遊んだり、けんかしたりしていたことがとても良い思い出です。

依田:結びになりますが、これから社会へ出て行こうとする後輩達、特に高校生へ向けてのメッセージをお願いします。
植木:どの進路に向かわれても苦労をされることとは思います。
そして、いずれは社会へ出ることになると思いますが、そこがゴールではないことを覚えていてほしいと思います。
これからの、皆さんのご活躍を祈願して結びの言葉とさせていただきます。
依田:今日は、貴重なお時間をありがとうございました。
植木:こちらこそ、ありがとうございました。

【エピローグ】
植木さんに初めてお会いしたとき、内面からにじみ出る爽やかさを感じた。
誠実な人柄の中に、強い意志をもつ人だと思う。
「市民の声を近い距離で聞きたい」と、語ってくれた植木さん。
今後ますます高齢社会となり、核家族化も進むに連れ、地域のコミュニティーが果たす役割は、より必要度が高くなっていくことだろう。
その一翼を担う植木さんという若い人材をもった白岡市。
一言、期待したい!
文末になったが、ご多用の中、今回のインタビューに快く応じてくださった植木さんに、心から御礼申し上げる次第である。
また、植木さんという素晴らしい若者をご紹介くださった、白岡市の田中正恵さんに感謝の意を表したい。
2014年12月22日
(取材と文責:依田 透)