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埼玉発~全国へ 教育インタビュー 橋本 強 加須げんきプラザ所長
花咲駅 有識者やがんばっている若者達を紹介する教育インタビュー。 第4回は、埼玉県立加須げんきプラザ 橋本 強 所長にお話を伺ってきました。

【プロローグ】

コトコトと、東武線に揺られて昼下がり。 車窓から零れる陽光が心地よい。 花崎駅南口を降りれば、妙に心落ち着くものがある。 ほっとする何かがあるのだろう。空気か?

少しばかり歩くと、のどかな風景の中に特徴的な建物が見えてくる。 今回おじゃましたのは、加須げんきプラザ。 さて、どんなワクワクが待っているのだろうか。

       

やってみたい!と思ったら

橋本 強 埼玉県立加須げんきプラザ 所長

 

003 【所長の素顔】

依田(聞き手):本年4月に、加須げんきプラザの所長として着任されたわけですが、約3ヶ月間のご感想をお聞かせください。

橋本:約15年ぶりに県庁勤務を離れ、素晴らしい環境の中で勤務させていただいております。 8人とういう少人数ですが、メンバーにも恵まれ、楽しく過ごしています。利用者の 方々も様々で、いや実に楽しいですね。

依田:少ない職員数で、しかも変則勤務となれば、なかなかご苦労も多いと思いますが、少数精鋭と言いますか、一致団結すれば機動力を発揮できそうですね。

橋本:そのとおりですね。団結していきいきとやる。職員みんなが元気で、本当によくやってくれています。

依田:橋本さんは、これまで多くの激務と言われる担当を長年に渡り務めてこられましたが、日々の息抜きや楽しみは何かありますか。

橋本:サッカーやゴルフですね。でも、やっぱりお酒かな。

依田:橋本さんの趣味に興味があるのですが。

橋本:読書も好きですし、それにゴルフですね。でも、やっぱりお酒かな。

依田:最近飲んだお酒で、お気に入りはありますか。

橋本:福島の飛露喜(ひろき)ですね!冷やでググッとやるのは、もうたまりません。

【げんきプラザって?】

依田:げんきプラザが実施している事業概況や、果たしている役割について教えてください。

橋本:わくわく・どきどき事業として「わくわく科学実験(小4~中3生)」、「どきどき英語教室(小2~小6生とそのご家族)」などがあります。 げんき・いきいき事業では、小・中・特別支援学校の児童・生徒とそのご家族を対象に「家族農業体験」、「親子陶芸教室」を実施しています。 また、不登校で悩んでいる小・中学生とそのご家族を対象とした「チャレンジ宿泊体験」や「チャレンジ手作り体験」も行っているんですよ。

ボランティア養成事業としては、「うどんサポーター養成事業(高校生以上)」、ちゃれんじ事業として「親子ふれあい体験(就学前後の子供さんとそのご家族)」、「親子 テニス教室(小学生とそのご家族)」、小学生から一般の方々を対象とした「手打ちうどん体験」、「そば打ち体験」、「ピザ作り体験」、「ふるさと探訪(概ね50歳以上の方)」など、様々な事業を展開しています。

その他にも、「春・秋期テニス大会(16歳以上)」、「ミニバスケットボール交流大会 (小学生)」を開催していますし、体験活動支援事業としての「出前講座(手打ちうどん体験・ドラム缶ピザづくり体験)」など、多種多彩なメニューを用意しています。

げんきプラザ(6所)は、平成15年4月に、集団宿泊活動、自然体験活動等を通じて、青少年の健全な育成を図るとともに、県民の生涯学習活動の振興に資するための社会教育施設として再編整備されました。 地域や施設の特色を生かした事業を実施することで、「子どもから大人まで県民の皆様が活動し、元気になる広場」としての運営を目指しています。

依田:かなり広範かつたくさんの事業がありますね。中でも、特別支援学校、学級との連携や市町村の適応指導教室に通う不登校児童、生徒への支援などは、現代において、特に重要性が高いものだと感じます。

橋本:まさにそのとおりです。県の直営施設として取組まなければならない最重要課題だと捉えています。

依田:県内には、いくつかのげんきプラザがありますが、その中にあって、加須げんきプラザの特徴、強みは何でしょうか。

橋本:他のげんきプラザは、山間部の立地を活用して、野外活動や自然体験を中心としていますが、加須げんきプラザは、鉄道や道路網が整備された平野部にあり、宿泊して文化活動、スポーツ活動、体験活動などの学習活動を行える都市型の施設 であると言えるでしょう。

最寄り駅から歩いて6分程度の至近距離にあり、その他の交通アクセス(東北自動車道・加須インターから約3.5㎞)という利便性のよい施設ですので、日帰りでの学習活動なども可能ですから、県東部や県南部からも多くのご利用をいただいております。

009 【青年の家からげんきプラザへ】

依田:げんきプラザは、「青年の家」から再編整備によりリニューアルしたものと考えています。これは、ターゲットを見直し、現代における生涯学習の果たす役割を再構築したものだと思いますが、その成果と思われるものがあれば、教えてください。

橋本:青年の家の時代は、事業の対象が勤労青年でしたが、利用者の減少も見られました。現在は、子どもから大人まで、幅広い層の方々が利用されていますね。

また、げんきプラザでは、社会教育に加え、生涯学習の場として運営していくため、県民、特に青少年の健全育成に事業をシフトし、主に小中学生を対象とした事業に力を注いでいます。 このため、青年の家だった時と比較すると、年平均の利用者数が約1.4倍の増となっている状況です。

【直営と指定管理者制度】

依田:げんきプラザでは、指定管理者制度が導入されている所もあります。私は、同制度にはもちろんメリットがあるものの、万能だとは考えていません。そこで、県が直営で実施する意義、あるいは強みを教えてください。

橋本:まず、事業実施に当たって、県の施策や考え方を直接反映することができます。 また、現職の教員や社会教育主事が事業担当の職員として指導に当たるため、教育課程などを熟知しており、市町村教育委員会や小中学校と連携を密に図ることができるのも大きいですね。

直営施設としての役割と重複しますが、①不登校児童生徒やその保護者を対象とした事業、②子育て応援に関する事業、③障害のある子とない子との交流事業など、参加者対象が少ない分野であっても企画し、実行することができます。対象者、参加者の人数に関わらず、真に必要なことをやる、それが一つの使命だと思っています。

依田:障害のある方々や不登校で悩むご家庭などにとっては、「公」が実施しているという安心感もあるでしょうね。

橋本:そうですね。社会的な課題でもあり、「公」として何かをしなければならないと考えています。

011 【地域との連携を】

依田:橋本さんは、インターハイや全国生涯学習フェスティバルなどの大きなイベントの準備段階から実施までを担当されていた時期があります。 そのときに培った経験を活かし、将来のげんきプラザに新規事業、いわゆるこれまでにない取組を行いたいという夢があったらお聞かせください。

橋本:近隣の市町村(加須市・行田市・羽生市・久喜市)と連携して、幼保・小・中・ 高校・大学・社会人など、すべての年代での連携を図ったイベントを実施したいと考えています。

依田:連携、協働を強化することで、新たな事業展開が拡がる機会も増えそうですね。

橋本:まずは近隣の地域との連携をしっかりやり、拡げていくことが大切だと思っています。

010 【忘れ得ぬこと】

依田:お住まいの本庄から長年県庁まで通い、しかも激務だったことは、本当に大変っだったと思います。 これまでの県庁生活で、思い出に残っていることを何か教えていただけますか。

橋本:平成18年4月から平成20年9月まで「全国高等学校総合体育大会(通称インターハイ)」の開催に携わり、続けて平成20年10月から平成21年12月まで 「全国生涯学習フェスティバル」の開催に係わったことは、特に思い出深いですね。

また、東日本大震災の関係で福島県双葉町の住民の方々を、旧騎西高校へ受け入れるお手伝いをさせていただいたことも忘れることができません。

依田:双葉町の方々を受け入れる際のお話は、以前ある先輩から伺ったことがあります。「誰が引き受けるか?」という課題の中で、「橋本さんなら!」と思われたそうです。非常事態に頼れる男ってことでしたよ。

橋本:双葉町の方々のことを思えば、お断りする理由は何もないし、被災地の皆さんを応援したいという気持ちでやらせてもらいました。

【やってみたい!と思ったら】

依田:結びに、県民の皆さんへ向けて、加須げんきプラザのPRをお願いします。

橋本:加須げんきプラザでは、さまざまな体験活動を用意して、皆様をお待ちしております。「やってみたい」と思ったら、げんきプラザの主催事業にぜひ申し込んでください。 やってみたいことが見つかったならば、まずは、げんきプラザにお電話ください。 職員一同、皆さんを心からお迎えすべく楽しみにしております。

006 【エピローグ】

げんきプラザの役割、あるいは事業内容は、ある程度知っているつもりではあったが、これほどまでに多彩な事業展開を行っているとはという感を抱いた。 事業数が多いと、これぞ!という主要事業の存在感が薄れてしまうケースもあるが、橋本所長の気概と実行力をもってすれば、綺麗なコントラストをつけて運営されていくことであろう。

特に、特別支援学校との連携、不登校に悩むご家庭への支援は、非常に重要なものだと実感する。 様々な人々、ご家庭が抱えるものを学校だけではなく、支援していく組織は尊いものではないだろうか。

さて、今回お話を伺った橋本所長。 私流に一言で表現するならば「ザ・ナイスガイ!」。 側にいてくれるだけで元気をもらえる人。 橋本所長の人間性、そして経験値が、生涯学習の現場から多くの人々に元気を贈ってくれることを確信する。

文末になったが、インタビューの依頼をした際にもご快諾くださり、貴重な時間をさいてくださった橋本所長に、心から感謝申し上げる次第である。

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(取材と文責、写真:依田 透)