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公務員の再任用制度は組織の活力をなくす

公務員の再任用制度は組織の活力をなくす


苔
年金の受給対象年齢が引き上げられたことに伴い、定年後も「再任用職員」として勤務する制度が自治体にもあります。

生活がかかっているわけだし、食べていくためにも必要であることは、よく理解できます。
しかし、私は、その運用に大きな間違いがあると、常々思っています。

まず、定年退職をしたからには、仕事人生の区切りを終えたわけで、身の処し方も必然変えなければなりません。
あくまで、年金受給までの収入を確保するという方法として、再任用制度は考えなければいけない。

嘆かわしいのは、現役を引退し、本来なら後進に道を譲るべき大幹部達が、再任用となっても「管理職手当」を受給し、こともあろうか、ライン上に席を置いている例が少なくないことです。
(※ ラインとは、所掌する事務のために、部下を持ち、指揮監督する位置にあること。)

この弊害は大きい。
定年した職員が、辞めてからも部下を持ち、そのために若い人達のポストがなくなっていくのですから。
組織全体の活力は減退し、意欲を削ぐことに当然繋がることでしょう。

再任用制度の存在自体は認めるとして、私は、理想的には、次のように取扱うべきだと考えています。
〇再任用として働く際には、現役中の職位がどうであれ、全員を同じ条件として、一担当として勤務させる。(理想的な在り方)
〇どうしても、幹部を優遇したいなら賃金を上乗せするなど、給与の額で報いる。(次善の策)
〇それも出来ないなら、ラインに入らないスタッフ職として、特命事項のみを任せる。(妥協策)

要するに、幹部として引退した人を「権限」や「職位」で優遇するのは、愚の骨頂ということです。

人間性が最も顕著に現れるのは、出処進退のうち、「退」だと古くから言われています。
この最も重要な決断を出来ない人々が多過ぎる。

このまま、続々と再任用グループが増殖すれば、各自治体のパワーは減退の一途を辿ることでしょう。

また、再任用に頼らざるを得ない状況を作ってしまった人事行政にも猛省をうながしたい。
若い人こそ、どんどん登用し、新しい時代を築くべきなのです。

繰り返し言いたいのは、現役を退いたからには、過去の役職は忘れ、後進のために道を譲るべき!
そうでなければ、これから数年のうちに、組織は活力を失い、弱小の群れと化すことでしょう。

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