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少なくとも三兎を追え 私の県立浦和高校物語

少なくとも三兎を追え 私の県立浦和高校物語

三兎を追え 浦和高校
今回は、関根郁夫さん著「少なくとも三兎を追え 私の県立浦和高校物語」を紹介させていただこうと思います。

「二兎を追うものは一兎をも得ず」ということわざは有名ですが、浦和高校では「少なくとも三兎を追え」と、生徒達に言葉を送っています。

著者の関根さんは、現埼玉県教育長で、教諭として6年、校長として4年間を過ごした浦和高校の物語を描かれています。

浦和高校といえば、私の地元埼玉では、歴史と伝統ある名門校として、誰もが認める存在であり、全国にも名を馳せる進学校でもあります。

一般的には、「勉強がものすごく出来る子が行く学校」、「有名大学へたくさんの合格者を出す進学エリート校」というイメージがあるかもしれません。

しかし、この著書を読み進むにつれ、浦高の持つ奥深さ、素晴らしさ、悲喜こもごもの姿を読者自身が味わうことになります。

浦高について調べれば、調べるほど、その底力を実感するのです。

著者は、冒頭からこんな言葉を持ち出します。
「浦高は、無理難題を課す学校である。」

浦高生となった日から、様々な課題の中に身を置き、勉学はもちろん躰の鍛錬が待っています。
生徒達にあえて大きな負荷を課す・・・と表現してもよいかと思います。

生徒達は、自分の無力を知り、時には悩み、時にはくじけそうになりながらも自ら考えて、行動し、未来を拓いていく。

関根さんは、秋の夜のこととして、こう書いています。
「秋の夜は長い。じっくり苦悩するがいい。苦悩しないですむような教育は行っていないので、安心したまえ。」
こんな思いを抱きながら、厳しくも深い愛で、生徒達を見守る光景が浮かんできます。

浦高教育を表す象徴的なものを二つご紹介しましょう。
〇「尚文昌武」(文をたっとび、武をさかんにす)
〇「守、破、離」

この二つの意味まで、私のつたない説明を書いてしまっては、これから書を手に取ろうとする楽しみを奪ってしまうので、あえて解説はいたしません。

この本に接すると、自らの体内にエネルギーが宿り、今を生きる己の姿をしっかり直視することができると言っていいでしょう。

私は思います。
こうして、私の言葉でいくらご紹介しても、浦高の素晴らしさの断片しか表現できないと・・・。

さて、著者の関根さんは、こんな言葉も書いておられます。
浦高生に限ることなく、他の高校で学ぶ生徒達、社会で働く人々、家庭を守る皆さんにとっても、きっと何かを与えてくれることでしょう。

「150の力があるのに100しか力を発揮しない人と、80の力で苦しみながら80をやり遂げた人とを、他人はどう見るでしょうか。80の力で苦しみながら80をやり遂げた人のほうが、信頼できるし、成長してゆくような気がしませんか。ですから、能力があるとかないとかで悩んでいないで、限界を乗り越えることを楽しむことです。」
※原文の数字は漢数字。

浦高ラグビー部は、第93回全国高校ラグビー大会へ出場し、花園のピッチに立ちました。
彼等の姿、彼等が成し遂げたことは、浦高の教育理念を象徴する一つだと強く感じます。

この本を繰り返し読むことにより、私自身、学べるものがまだまだ沢山秘められている!
と述べさせていただき、この稿を閉じたいと思います。

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